いちごのプランター栽培|初心者でも失敗しない育て方と収穫までの完全ガイド

赤く熟したいちごと、まだ青い実が混ざって8個ほど実っているプランター栽培のいちごの株
季節の果物

いちごは、プランター栽培でも十分に甘い実を収穫できる果物です。

私も最初小さなプランター1つから始めました。それが今では鉢植え、地植えにまで広がって、15年経った今でも毎年たくさんの実がなっています。

昨日も、庭に広がったいちごの株を掘り上げてプランターに植え替えたばかり。

この記事では、その作業の様子も交えながら、初心者の方でもすぐに始められるいちごのプランター栽培の方法をまとめました。

いちごの品種選びとプランター栽培の基本

品種は「一季なり」から始める

いちごには「一季なり」と「四季なり」の2種類がありますが、初心者に合うのは断然「一季なり」です。

一季なりは春(5〜6月)に1回だけ収穫するタイプで、実が大きく育ちやすくて管理もシンプル。四季なりは年に何回か収穫できますが、実が小さめで手がかかります。

おすすめ品種は次の3つ。

  • とちおとめ:甘みと酸味のバランスが絶妙で、病気にも強く育てやすい不動の人気No.1。
  • 紅ほっぺ:果実が大きく育ちやすく、いちご本来の濃厚な甘酸っぱさ(コク)が楽しめる。
  • らくなりイチゴ、蜜香(サントリー本気野菜シリーズ):家庭菜園専用に改良された品種で、初心者でも鈴なりになりやすい。

これらの苗は、ホームセンターでも良い苗が手に入りやすい品種です。

プランターと土の準備

プランターは「浅め・横広」が正解

いちごは根が浅くて横に広がるので、深さよりも横幅が大事です。

  • 深さ:15〜20cm
  • 幅:60cm以上
  • 土の量:1株あたり4〜5L

昨日植え替えた時も、60cmのプランターに2株植えました。これくらいのサイズ感が、株同士の間隔も取れてちょうど良いです。

深すぎるプランターは必要ありません。浅めで横長のほうが、水やり管理もしやすいです。

土は野菜用培養土で十分

市販の野菜用培養土でOK。 いちご専用土も売ってますが、野菜用培養土で十分育ちます。

ただ、私はプランターの培養土は毎年新しいものに入れ替えています。 古い土はいちごに病気が出やすいので避けたほうが安全です。

準備の手順:

  1. プランターの底に鉢底石を敷く
  2. 培養土を9分目まで入れる
  3. 軽く湿らせて、植え付けに備える

いちごの苗の選び方と植え付け手順

最も失敗しやすいのが「植え付け」。 でもポイントさえ押さえれば、ここは簡単です。

いちごの良い苗の見分け方

園芸店で苗を買う場合:

いちごの株元の膨らんだ部分をクラウンといいますが、ここが細いと花が咲きにくいです。
秋に園芸店で購入する苗は、葉の色や茎、クラウンの太さで判断しましょう。

  • 葉が濃い緑色で厚みがある
  • 茎が太い
  • 本葉が3〜4枚ついている
  • クラウンが太くてしっかりしている

12月に入ると苗が手に入りにくくなるため、良い苗がなければ2〜3月の販売時期を待ちましょう。
特に寒冷地では、11月下旬以降の植え付けは寒さで失敗しやすいため、春植えをおすすめします。

ランナーから増やした株の場合:

いちごはランナー(株から伸びるつる)と呼ばれる、茎のようなものを伸ばして子株を作ります。

ランナーには親株とつながる節があり、この節から根が出て地面やポットに根付くと新しい株になります。

このランナーから伸びた子株を植え替えると、たくさんいちごを増やすことができますよ。

プランターから伸びたランナーが地面で根付き、地植え状態になったいちごの株の様子

(写真1:ランナーで庭に広がったいちごの株)

写真は、我が家の庭に根付いたいちごの株です。
もともとは、プランターから伸びたランナーが地面に伸びて、子株が広がったものです。

親株と子株が混ざっていますが、子株の中でも丈夫そうな株を選んで植え替えるようにしています。

植え付けで絶対に守ること

クラウンを埋めないこと。これだけは絶対です。

埋めると蒸れて腐り、ほぼ枯れます。 クラウンは必ず地上に出した状態で植えてください。

実際の植え付け手順(11月24日の実録)

イチゴ苗の植え付け適期は10月中旬〜11月上旬です。

ですが、私は西日本の比較的温暖な地域に住んでいるので、11月の下旬に庭のいちごの株を掘り上げてプランターに植え替えました。

その時の手順を写真と一緒に紹介します。

1. 株を掘り上げる

まず、スコップで株の周りを大きめに掘って、根を傷めないように掘り上げます。

掘り起こしたランナー株の根の広がりと状態が確認できる、いちごの根の写真

(写真2:掘り上げたいちごの株、枯れたランナー付き)

見てもらうと分かるように、いちごの根は横に広がってます。
プランターに植えるときは、横に根を張ることを考えて、株間に余裕があった方がいいです。

2. プランターに穴を掘る

プランターに土を入れておいて、株が入る大きさの穴を掘ります。

枯れたランナーが付いたいちご株を植え穴に仮置きし、向きを確認している様子

(写真3:プランターに穴を掘って株を仮置き。ランナーの位置を確認)

いちごはランナーとは反対側に花が咲くので、手前に実がなるように、苗の向きを考えて植え付けます。

植え付けの向きが分かりやすいように、今回は枯れたランナーを付けたまま植え付けています。

実際に植えるときは、ランナーは根元から切り落としてくださいね。

ランナーが出ていた側が“後ろ(株の背面)”。
その反対側が“花が咲く方向=手前(正面)”。

手前側に実がぶら下がるように植えると収穫が楽です。

3. 浅植えにする

いちごのクラウンを埋めないように浅植えし、指で葉を押さえてランナーの位置を確認している様子

(写真4:クラウンが埋まらないように株を浅植え)

ここが一番大事。クラウンを地上に出すように写真のように浅く植えます。

株と株の間は20〜30cm空けるのが理想です。今回は大きな株だったので2株だけにしました。

4. たっぷり水やりして日陰へ

植え付け後は、たっぷり水をやって明るい日陰に置きます。

植え付け後のいちご株に水やりをして、プランターを日陰に置いて養生させている様子

(写真5:植え付け完了。根が落ち着くまで日陰で管理

植え替え直後は根がダメージを受けているので、1週間くらいは直射日光を避けて、軒先の明るい日陰で管理します。

この「浅植え」ができていると、春のいちごの花つきもグッと良くなりますよ。

いちごの水やりと追肥の管理

水やり(季節で変える)

  • 秋(植え付け直後):土の表面が乾いたらたっぷりと(数日に1回程度)
  • 冬:土の表面が白っぽく乾いてから(1週間に1〜2回程度、暖かい日の午前中に)
  • 春(開花期):土の表面が乾いたらたっぷりと(基本は1日1回)

プランターは乾きやすいので、地植えより水切れが早いです。

私は朝の水やりを日課にしてますが、真夏だけは夕方にも追加してます。

追肥は年2回だけ

追肥は年2回が基本です。

いちごの追肥で失敗する人、けっこう多いです。肥料をやりすぎると葉ばかり茂って実がつきにくくなるので気を付けましょう。

1回目:11月中旬〜下旬

目的は、根を張らせて冬を越す体力をつけること。冬越し前の体力づくりのための肥料です。

ただし、新しい培養土で植え付けたばかりの場合は、土に肥料が含まれているので今回は不要です。

  • 発酵油かす、または緩効性化成肥料
  • 株元から10〜15cm離して置く
  • 肥料が根や葉に直接触れないように

2回目:2月中旬〜3月上旬

目的は、新しい葉の成長と開花を促すこと。

  • リン酸多め(いちご専用肥料など)
  • 株元から10〜15cm離して施す

追肥のサイン: 地面に這うように広がっていた葉が、立ち上がってきたら追肥のタイミングです。

やってはいけない追肥:

  • 株元に直接まく(根が焼けるため)
  • 3月以降に「固形肥料」を与える(効きすぎて実がつきにくくなるため)
  • 葉が濃い緑色の時に追肥(肥料過多)
  • 株の植え替えや苗の植え付け直後(根が張っていない状態で肥料やけを起こすため)

今回の私のように、野菜用培養土(肥料入り)を使って植え付けた場合、次の肥料は2月まで待ちましょう。

私も肥料をやりすぎて、葉ばかり茂って実がほとんどつかない年がありました。「控えめ」がコツです。

いちごの冬越しと春の管理

冬越しと寒さ対策(氷点下は注意)

いちごは寒さに強い植物ですが、プランター栽培では土が凍ると根が傷んでしまいます

寒さに当てることは大切ですが、氷点下になる夜や強い霜が降りる日は、軒下に移動させるか不織布をかけるなどの対策をしましょう。

目安として−2℃を下回るような寒波の際は注意が必要です。

冬にやること:

  • 敷きわらやシートで覆う(寒さ対策)
  • 枯れ葉の除去(病気予防)
  • 12月のランナーは切る(早すぎるため)

冬の間も土が乾いたら水やりは必要です。 私は晴れた日の午前中に必ず確認しています。

人工授粉で確実にいちごの実をつける(3〜4月)

いちごのプランター栽培は虫が少ないので、人工授粉が有効です。

授粉の方法:

  1. 筆や綿棒を用意
  2. 晴れた日の午前中に行う
  3. 花の中心(雌しべ)を優しくなぞる
  4. 円を描くように花粉をまんべんなくつける

人工授粉は形がいびつになりやすいですが、それは失敗じゃありません。

形が少し不揃いでも、自然受粉と同じ形にはならないので気にしなくて大丈夫です。

3月より前に咲いた花は摘む

早すぎるいちごの開花は株の栄養を奪うので、もったいないけど摘み取りましょう。この時期に出るランナーも、収穫まではすべて切り取ります。

いちごの収穫と翌年につなげる管理

収穫時期の見極め方

いちごは開花から35〜40日で赤くなります。

ヘタの部分まで真っ赤になったら収穫適期です。

  • 朝の涼しい時間帯に収穫
  • ヘタを持って優しくもぎ取る

採れたての香りは格別です。 これはプランター栽培の最大の特権ですね。

ランナーで増やす手順

収穫後(6〜7月)にランナーが伸びたら、ポリポットに子株を受けて育てます。

私も最初はプランター3株から始めましたが、毎年ランナーで増やしているうちに、今では庭中にいちごが広がってます。

昨日植え替えた株も、元々はプランターから伸びたランナーが地面に根付いて大きくなったものです。こうやってどんどん増えていくのも、いちご栽培の楽しみの一つですね。

(詳しくは関連記事「いちごのランナーを切るタイミングは?|10〜11月でも間に合う?」をご覧ください)

よくある失敗と対処法

花が咲かない → 肥料の与えすぎ。葉が濃い緑色で大きい場合は、追肥を控えましょう。

実がつかない → 人工授粉不足、または気温が低い。晴れた日の午前中に必ず人工授粉を。

葉が黄色くなる → 肥料不足。2月の追肥を忘れずに。

実が腐る・病気が出る → 風通しが悪い、湿度が高い。枯れた葉を取り除いて、風通しの良い場所へ。

いちごのプランター栽培 Q&A

Q:いちごは何株から始めるべき?
A:60cmなら3株が一般的ですが、大きく育てたい場合は2株がおすすめです。

Q:冬は室内でも大丈夫?
A:冬は外で寒さに当てる必要があります。春以降は室内でも育てられます。

Q:同じプランターで翌年も育てられる?
A:親株は収量が減るため、ランナーで子株を作り更新するのが基本です。

Q:虫対策は必要?
A:ナメクジに注意。株をプランターの端寄りに植えると、実が空中にぶら下がるため被害が減ります。

まとめ

いちごのプランター栽培は、ポイントを押さえれば初心者でも成功できます。

成功の5つのコツ:

  1. 一季なり品種を選ぶ
  2. クラウンを埋めずに浅植え
  3. 追肥は年2回だけ
  4. 冬は屋外で寒さに当てる
  5. 人工授粉で確実に実をつける
  6. 水のやりすぎに注意

私も最初はよく分からないままのスタートでしたが、15年間、毎年安定して収穫できています。

プランターなら狭いスペースでも始められるので、ぜひ今年の秋から挑戦してみてください。採れたての香りは、本当に”育てた人だけのごほうび”ですよ。

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