バラは「挿し木」で増やせる植物です。
ただ、実際にやってみると「枯れてしまった」「根付かない」という声も少なくありません。
この記事では、母の日の花束に入っていた1本のバラを挿し木した実体験(現在7年目)をもとに、写真とともに成長の記録を紹介します。
同時に、一般的な挿し木の方法や、ミニバラ・マイクロミニバラとの違い、成功のコツについても触れていきます。
挿し木から7年間の成長記録

(写真1:花束の中の1本のバラ。カーネーションも一緒)
母の日にもらった花束。その中に、なぜか1本だけバラが混じっていました。
「せっかくだから残したい」と思い、花が終わったあとに挿し木をしてみることに。
園芸用の土でもなく、ちょうど余っていたプランターの土に挿しただけで、特別な手入れも何もしませんでした。
ところが、その1本のバラは根付き、毎年立派な花を咲かせるようになりました。
1年目:小さな株に大きな花

(写真2:挿し木して1年目に咲いたバラ)
挿し木してから約1年後、背丈はわずか15cm。
それでも1輪だけ、色は淡めでしたが大きくて見事な花を咲かせました。
一般的には、バラは挿し木して1年目の花は咲かさないで蕾のうちに摘み採るようにすると、その後の株の成長が早まると言われています。
何も知らない私は、1年目で花が咲いたと大喜びして写真に残しておいたのです。
その後も、毎年しっかり花を咲かせて、株もどんどん大きくなりました。
5年目:色が少しずつ変化する

(写真3:挿し木して5年目に咲いたバラ)
5年目には背丈が伸び、枝ぶりもしっかりしてきました。
プランターに挿し木してから1度も植え替えしていないせいか、花は1~2輪と少なめでしたが、毎年立派な花を咲かせてくれました。
薄かった花の色も段々濃くなり、この頃はもらった時より花の色が濃くなっていました。
白っぽい色だったり、濃いピンクがかった色だったり、
同じ株でも、その年ごとに少しずつ違う表情を見せてくれることに驚かされました。
7年目:60cmに成長し、今年も花を咲かせる

(写真4:挿し木して7年目に咲いたバラ)
そして7年目、今年6月に咲いたバラです。
きれいに咲いていたので切り花にして飾ったため、この写真しか手元に残っていませんでした。
花芽がこれまでで一番たくさん付いていて、長く楽しませてくれました。

(写真5:挿し木して7年目のバラの株と新芽/9月撮影)
現在のバラの様子です。
花が咲いた時の背丈は60cmほどでした。花が咲き終わってしばらく経つと、葉が全部落ちて茎だけが残ったので、10cmくらい残して切り戻ししました。
現在は新芽がどんどん出てきて、背丈は45cm程度になっています。
特に肥料は与えてないし、植え替えもせずそのままプランターで育てていますが、バラは環境に合わせて生きているのだと実感しています。
バラの挿し木方法(基本編)
ここからは、一般的に紹介されている「バラの挿し木方法」を整理しておきますね。
- 時期:春(5-6月)か秋(9-10月)が適期
- 挿し穂:花後の枝を10-15cmにカット、下葉を取り除く
- 水揚げ:切り口を30分~1時間程度、水につけ吸水させる
- プランターは深さがあるものを選ぶ(根を伸ばせる)
- 土:赤玉土や挿し木用培養土(水はけと清潔さが大事)
- 植え付け:湿らせた土に枝を挿す。直射日光は避けて明るい日陰へ
私の場合は花瓶に生けていた花が終わった後、切り落として空きプランターの残り土にそのまま挿しただけです。
これは本当に運がよかっただけかもしれません。
もしかしたら、花瓶で5日ほど楽しんでいた間に、茎がたっぷり吸水できたのが良かったのかもしれないですね。
“偶然うまくいく”ケースばかりではないので、成功率を上げたい人は、上記の方法を意識したほうが安心です。
ミニバラ・マイクロミニバラとの違い
「バラの挿し木」といっても、種類によって難易度は少し変わります。
一般的に『バラ→ミニバラ→マイクロミニバラの順に挿し木の難易度が上がる』と言います。
- 普通のバラ
→ 成長力が強く、環境が合えば挿し木も成功しやすい。 - ミニバラ
→ ホームセンターなどでも身近。思った以上に根付きやすい。 - マイクロミニバラ
→ さらに小型で繊細。水や環境の影響を受けやすく、挿し木の難易度は高め。
私はマイクロミニバラの挿し木の難易度が一番高いことを、最近知りました。
これまですべて同じ方法で挿し木しましたが、全部のバラが根付いたので、あまり違いを感じませんでした。
たまたま生育環境が良かったのか、品種が挿し木に向いていたのか分かりませんが、どのバラも根付いて今でもかわいい花を咲かせ続けています。
バラの挿し木は種類や品種だけでなく、植えた時期や生育環境によっても難易度が変わってきます。
ですが、私のように簡単に根付くかもしれないので、切バラを楽しんだ後はぜひ気軽に挿し木を試してみてくださいね。
バラを長く楽しむコツ(体験から)
バラを長く楽しむために、初心者でも続けられる管理方法を説明しますね。
- 水やり:土の表面が乾いたらたっぷりと。夏は朝夕2回、冬は控えめに
- 日当たり:午前中の日光が当たる場所。1日4-5時間が理想
- 風通し:風通しの良い場所で病気予防
- 肥料:春から秋に月1回程度(無肥料でも育つが花数は少なめ)
- 花がら摘み:花が終わったら花首の下でカット
- 冬の剪定:全体を3分の1ほど切り戻すと春の花数が増える
- 病害虫チェック:葉の裏も定期的に観察し、アブラムシは早めに除去
バラが根付いて花が咲くようになったら、できるだけ長く安定して育てたいものですね。
挿し木後、私が気をつけたこと
- 水やり: 根付くまでは、葉の様子を見ながらこまめに水やりをする(土を乾燥させないよう、土の湿り具合を確認した)
- 日当たりと置き場所: 直射日光を避け、明るい日陰に置く
バラが根づいた後は、水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与える。
これだけは欠かさず続けてきました。
真夏は朝夕2回、冬は控えめに調整したりしましたが、それ以外は特別な手入れも何もしていません。
プランターに植えたまま放置していたら、最近ではタツナミソウ(山野草)がプランターを埋め尽くすように生えてきたので、そろそろ植え替えを検討しています。
まとめ
- 花束の1本のバラから偶然根付いた株が、7年間咲き続けている
- 肥料も環境も特別ではないのに、毎年花を咲かせてくれる
- 色の変化や成長の記録は、写真と共に「家族の思い出」となった
今回ブログを書くにあたって、過去の写真を見直してみて、これだけ写真が残っていることに自分でも驚きました。
園芸は「植物を育てる楽しみ」だけでなく、「思い出を残す力」も持っているんだと、このバラが教えてくれました。
母の日にもらったバラが、偶然挿し木で根付き、7年経った今も花を咲かせ続けています。
あなたも、記念日に手にした花を挿し木してみませんか?
きっと、年月とともに思い出を咲かせてくれるはずです。



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