春に白い花を咲かせて、甘い実をつけてくれるいちご。
毎年ランナー(つる)から新しい苗が増えるのが楽しみですよね。
でも、「いつランナーを切ればいいの?」「10月でも植え替えられる?」と迷う人も多いと思います。
実際、私も最初の頃は切る時期に悩み、何度かタイミングを逃したことがありました。
この記事では、私が実際に10月〜12月に植え替えた体験を交えながら、 ランナーを切るベストタイミングと、植え替え時期の目安を紹介します。
ランナーってそもそも何?切る意味は?

(写真1:親株からランナーが伸びて、先に子株がついている)
いちごのランナーとは、親株から横に伸びて新しい株をつくる「つる」のこと。
この先についた子株が、次の世代の苗になります。
はじめのうちは親株からランナーを通じて養分をもらっていますが、 子株に根が張ると、親株とのつながりは自然と弱くなります。
いつまでもつけたままにしておくと、お互いの栄養を奪い合って弱ってしまうことも。
種まきよりも簡単に増やせるため、家庭菜園では「ランナーで増やす」方法が主流です。
健康な株に育てるには、「切るタイミング」がとても大切なんです。
いちごのランナーを切るタイミングの目安

(写真2 : ランナーがまだ青い状態の子株)
いちご ランナー 切るタイミングは、収穫後〜秋がベスト。
子株が根を張った後に切ることで、親株の栄養が分散せず、子株が独立して育ちます。
ランナーの色や子株の成長具合を見て、ランナーの切るタイミングは判断します。
青いうちでも、根がしっかり伸びていれば切って大丈夫。
親株に頼らず自立できる状態のサインなんです。
- 子株の根が3cm以上伸びている
- 葉が3〜4枚以上ある
- ランナーの色が茶色くなり始めている
この3つがそろえば、切っても問題ありません。
私はこの状態で切り、プランターに植え替えましたが、根付きもよく育ちました。
よくある失敗と注意点
初心者に多いのは、「根が出る前にランナーを切ってしまう」こと。
まだ根が短い段階で切ると、水分を吸えずにしおれてしまうことがあります。
焦らず、根が土に潜り始めてから切るのが安心ですね。
反対に、切るのが遅すぎると、親株の栄養が奪われて翌年の花芽が減ることもあります。
秋の気温が20℃を下回った頃を、切り離す目安にすると失敗が少なくなりますよ。
枯れてから切る場合はどうする?

(写真3:ランナーが完全に茶色く枯れた状態)
秋が深まると、ランナーが自然に枯れることもあります。
この場合、親株との栄養のやり取りはすでに終わっています。
ランナーが茶色くなっているときは、無理に根元を残す必要はありません。
ハサミでスッと切り離してOK。
青いランナーのときは、子株側の根元を2~3cmほど残して切るのが基本です。
地域別の植え替え時期の目安

(写真4:10月中旬、子株が土に根を下ろしている様子)
植え替えの時期は地域の気温によって少し異なります。
- 北海道・東北:9月下旬〜10月上旬
- 関東〜関西:10月中旬〜11月上旬
- 九州〜沖縄:10月中旬〜11月下旬以降も可能
寒冷地では成長が早く止まるため、ランナーが青いうちでも根が出ていれば早めに切るのが安心。
根張りが進みやすく、冬越しにも有利です。
西日本のように暖かい地域では、ランナーが自然に枯れるのを待ってからでも十分間に合います。
10〜11月の植え替えでも間に合う?

(写真5:お正月前に植え替えた、いちごの株)
「秋も深まってきたけど、今から植え替えて間に合うの?」 …と心配になりますよね。
でも、10〜11月頃のいちごの株は、しっかり根を張っていることが多いので失敗も少ないです。
私はこれまでも10月〜11月に何度も植え替えしてきましたが、しっかり根付きました。
実際、去年植え替えたのはなんと12月22日。
ちょうどその頃、庭に植えていたいちごの苗が大きくなって、葉が色とりどりに紅葉。
しかも、ところどころに白い花を咲かせて、とてもきれいだったのです。
鉢植えの花が枯れかかっていたため、お正月を前に思い切って植え替えました。
「こんな時期に植え替えて大丈夫かな」という不安もありましたが、 春にはしっかりと花を咲かせてたくさん実をつけてくれました。
比較的暖かい地域に住んでいるせいかもしれませんが、いちごの生命力には驚かされます。
いちごの植え替えのコツと注意点

(写真6:プランターに植え替えた直後のいちごの子株)
植え替えるときは、根を傷つけず、やや浅めに植えるのがポイントです。
深植えすると根腐れの原因になるので注意してくださいね。
基本の手順:
- 鉢やプランターの底に鉢底石を入れる
- 培養土を入れて、根が広がるように植える
- 株元が埋まらないように軽く土をかける
- 植え替え後はたっぷり水を与える
- 明るい日陰で1週間ほど休ませる
最初のうちは直射日光を避けて、根が落ち着いたら日当たりのよい場所へ移しましょう。
どの子株を残すのがいいの?
親株から出るランナーの1番目の子株は、まだ不安定なことが多いです。
栄養が十分に届かず、根の張りも浅いことがあるため、 一般的には2〜3番目の子株を苗として育てるのが安心です。
ただし、1番目でも根がしっかり張って元気なら、そのまま使ってOK。
あくまで“目安”なので、株の状態を見ながら判断しましょう。
植え替え後の管理と冬越し
10〜11月に植え替えたいちごの苗は、冬の寒さに備えてゆっくり成長します。
葉が赤くなったり、葉が少し枯れてきて元気がないように見えても大丈夫です。
冬は無理に肥料を与えず、水やりも表土が乾いてから2〜3日待ってから与える程度にします。
それでも、春になれば自然に勢いを取り戻しますよ。
冬越しを助けるひと工夫
株元にワラやバークチップを敷くと、霜よけと乾燥防止になります。
寒風が強い地域では、不織布や透明ビニールで軽く覆うとさらに安心ですね。
根が凍るのを防ぎ、春の立ち上がりが早くなります。
肥料を与えるのは2月ごろに一度だけ。 それまでは根の充実を優先して見守りましょう。
まとめ
いちごのランナーは、青いうちでも根がしっかりしていれば切って大丈夫です。
地域の気温に合わせて時期を見極めれば、10〜11月の植え替えでも翌春に元気な実をつけます。
青いランナーを残して植え替える場合と、枯れてから独立させる場合。
それぞれの環境に合わせて使い分けることで、失敗を減らせます。
12月に植え替えた株がしっかり実をつけてくれたのを見て、いちごって意外とたくましいなと改めて感じました。
季節の変わり目に合わせて、あなただけのいちご苗を育ててみてくださいね。



コメント