家庭菜園で人気のいちご。
甘くて可愛い実を育てるために、いちごの苗の管理はとても大切です。
なかでも「いちごの脇芽かき」は、株の栄養を効率よく使い、実を大きく育てるための重要な作業です。
でも、脇芽かきといっても、「これ、脇芽?取ったほうがいいの?」「どれが脇芽なのか分からない」——そんな疑問を持つ方は多いと思います。
私も最初は、どれが脇芽なのか全く分かりませんでした。
そこで、この記事では「いちご 脇芽かき」の基本から時期、見分け方、やり方までを写真付きで詳しく解説します。
脇芽とは?いちごの“株の一部”として出てくる芽

(写真1:プランターのすぐそばにできた、いちごの脇芽)
いちごの脇芽は、主に中心のクラウン(成長点の短い茎部分)のすぐ横から出てきます。
葉の形は小さく、色もやや薄めのことが多い。
根元を軽く動かすと、親株とは別に動くので、脇芽だとすぐに分かります。
この脇芽は、株の分岐点で新しい葉や花芽になる可能性がありますが、放置すると栄養が分散して実が小さくなったり、株が混み合って病気が起きやすくなったりします。
つまり、脇芽かきとは、不要な脇芽を適度に取り除いてメインの株を健康に保つ作業なんです。
中心のクラウン部分が窮屈そうなら、脇芽かきのタイミングです!
脇芽取りをしっかり行うことで、いちごの収穫量や実の大きさがアップしますよ!
脇芽とランナーの違いを見分けよう
脇芽とランナーの特徴を見てみましょう。
| 特徴 | 脇芽 | ランナー |
|---|---|---|
| 生える位置 | 株の根元(クラウンの横) | 株の上部から長く伸びる |
| 形 | 太く短く、葉が数枚ついている | 細く長い茎の先に子株がつく |
| 目的 | 株を分ける・株が増える | 株を増やす(子株づくり) |
表を見ると分かるように、脇芽は“株の根元”、ランナーは“株の上部”から出ます。
見分けるときは、どこから伸びているかをチェックしましょう。
実際に株を見てみると、脇芽はクラウンのすぐ隣に葉を数枚広げたミニ株のように見えます。
脇芽を放っておくと、株が分かれてどちらも生長してしまい、混み合ってくるので適度な脇芽かきが必要なんです。
いちごの脇芽かきをする理由

(写真2:脇芽かきが必要のない株・2つに分かれている状態)
脇芽かきの目的は、「株の形を整えて、実をつけやすくする」ことです。
- 株が混み合って風通しが悪くなる
- 栄養が分散して実が小さくなる
- 冬越し前に葉が多すぎて根が弱る
こうしたトラブルを防ぐため、秋の終わりに整理しておくと、春の株が元気になります。
春になって美味しいいちごを収穫するためには、脇芽かきは大切な作業ですが、すべての株でやる必要はありません。
株が自然に二つに分かれて、どちらも元気に育っている場合は、そのままでもOK。
株全体が混み合っていなければ、無理に脇芽かきをする必要はないので、株の状態をよく見て判断してくださいね。
脇芽かきのやり方(実例付き)

(写真3:プランターのそばで、窮屈そうないちごの株)
我が家のいちごは、プランターのすぐ横に生えた株が窮屈そうだったので、その脇芽を取りました。
やり方は次の通りです。
- 根元を確認し親株を動かさないようにして、子株を指で軽くひねるように外す
- 無理に引っ張ると、クラウンを傷つけることがあるので注意する
- 固い場合は、清潔なハサミでクラウンを傷つけないように切り取る
外した脇芽を見ると、小さな白い根が出ていました。
このように根が少しでも出ていれば、植え替えしても根づく可能性があります。
取った脇芽を植えるならどうする?

(写真4:脇芽かきをした株のアップ・白い根が出ている)
根がついている脇芽は、そのまま小さめの鉢やポットに植え付けて育てられます。
根が見えなくても、うまくいけば根づくこともありますよ。
培養土は、いちご用または野菜用のものを使えばOK。
植えるときのポイントは以下の通りです。
- 根が短い場合は浅く植えて、根元が土に触れるようにする
- 水はけのよい土を使う
- 直射日光が強いときは半日陰に置く
- 植え付け後はたっぷり水を与える

(写真5:脇芽を鉢に植え替えた様子)
私も芽かきで取った株を、試しに鉢に挿してみました。
このまま秋の日差しのもとで根がつけば、来春には小さな花をつける株に育つこともあるので、楽しみに育ててみます。
10〜11月でも脇芽かきはできる?
地域や気温によりますが、目安として株が成長しているうちは、脇芽かきしても大丈夫です。
秋の終わりでも株が混み合っているなら、軽く整理しておくと風通しが良くなり、冬越しがスムーズになります。
ただし、この時期は株の生長がゆるやかになっているため、無理にたくさん芽を取らないことが大切です。
脇芽を取りすぎると、寒さに向かう時期に回復が追いつかず、株が弱ってしまうことがあります。
また、取り除いた脇芽を使って増やしたい場合は注意が必要です。
10〜11月でも暖かい地域(西日本など)では発根の可能性があるけど、寒い地域では根づきにくいことも。
その場合は、秋はあくまで「株の整理」として脇芽をかき、増やす作業は春(3〜4月)に行うのが安心ですね。
つまり、秋の脇芽かきは“育てる株を整える”目的。
増やしたい株は、春の暖かさを待ってから取りましょう。
よくある疑問Q&A
Q1:脇芽を取ると実の数が減る?
→ 花芽が一時的に減ることはありますが、その分1つ1つの実が大きく育ちます。
株の体力を“分けるより集中させる”作業だと思えばOKです。
Q2:取った脇芽は水挿ししても育つ?
→ 可能です。根が出るまでは1週間ほど水を替えながら明るい日陰に置くと、根が伸びやすいです。
根が出たら、鉢やポットに植え替えます。
Q3:古くなった親株はどうすればいい?
→ 3年目以降は親株が老化して生育が衰えるため、脇芽やランナー株に更新していくのがおすすめ。
春に新芽が出たタイミングで脇芽をとって植え替えると、新しい株として元気に育ちます。
まとめ
- ・脇芽はクラウンのすぐ横に出る小さな株です。
- ・放置すると株が混み合い、実がつきにくくなります。
- ・整理のための脇芽かきで十分で、全部取る必要はありません。
- ・10〜11月でも暖かければ植え替えができます。
- ・寒い地域では春の脇芽取りがおすすめです。
脇芽かきは、作業そのものよりも「株の状態を見極める」ことが大切です。
私も最初はどれが脇芽か分かりませんでしたが、実際に触ってみると株の形や勢いがよく分かります。
たくさん観察を重ねるほど、株ごとの違いが見えてくる——それが上手な育て方への第一歩ですね。



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