家庭菜園でピーマンを育てていると、緑だったピーマンが赤くなって驚くことがあります。
また、買ってきたピーマンを冷蔵庫に入れておいたら、いつの間にか赤くなっていた…という経験はありませんか?
「赤くなったピーマンって食べられるの?」「苦くない?」「栄養はどうなるの?」など、疑問も多いはずです。
実は、木の上で完熟して赤くなったピーマンと、収穫後に放置して赤くなったピーマンでは、見た目は似ていても中身がまったく違うんです。
この記事では、赤くなったピーマンの違いや魅力だけでなく、栄養、食べ方、種の保存についても詳しく紹介します。
ピーマンは「未熟な状態」で収穫している

(写真1:収穫した緑ピーマン)
まず知って おきたいのは、緑のピーマンは“未熟果”だということ。
ピーマンはトウガラシの仲間で、熟すと赤やオレンジに変化します。
一般的にスーパーで売られている緑のピーマンは、
実がまだ若く、果肉が締まっていて香りも苦味も強い段階で収穫されているんですね。
つまり、「緑=未熟」「赤=完熟」。
ピーマンが赤くなるのは自然な成長の証なんです。
木で完熟して赤くなったピーマンの特徴

(写真2:畑で赤くなったピーマン)
木の上で太陽をたっぷり浴びながら熟したピーマンは、糖度が上がり、苦味がほとんどなくなります。
- 果肉がやわらかく、肉厚でジューシー
- 青臭さが消えてフルーティーな香り
- 甘みが強く、パプリカのような味わい
この状態のピーマンは「完熟ピーマン」と呼ばれ、家庭菜園でしかなかなか味わえません。
完熟ピーマンは栄養価アップ!
実は、見た目は同じ“赤ピーマン”でも、育ち方で中身はまったく違います。
🍀 ピーマンの栄養比較(可食部100gあたり)
| 栄養素 | 緑ピーマン | 赤ピーマン(完熟) |
| ビタミンC | 約76mg | 約170mg(約2倍) |
| βカロテン | 約400μg | 約1100μg(約3倍) |
| 抗酸化力 | 普通 | 高い(美肌・免疫に◎) |
木で完熟した赤ピーマンは、味も栄養もパワーアップ!
ピーマンは熟すことで苦味成分が減り、抗酸化成分が増えるので、甘みだけでなく美容にもいい“ごほうびピーマン”なんです。
冷蔵庫で赤くなったピーマン(放置ピーマン)の正体

(写真3:冷蔵庫で赤くなったピーマン)
さて、冷蔵庫で放置していたピーマンも、しばらく放置していたら赤っぽくなることがあります。
見た目は似ているけれど、これは「熟した」のではなく「変色」しているんです。
ピーマンは収穫後も呼吸を続けており、緑色が抜けていくことで、中に隠れていた赤い色素が見えてきます。
でも木から離れた時点で、養分の供給は止まっているため、糖分も栄養も増えません。
つまり、冷蔵庫や常温で赤くなるのは、追熟ではなく色変わったということです。
ピーマンは果物のように“追熟して甘くなる”ことはなく、
緑の色素(クロロフィル)が抜けて赤が見えているだけなんですね。
木で完熟した vs 収穫後に赤くなった 比較まとめ
同じ“赤ピーマン”でも、育った環境によってどんな違いが出るのかを見てみましょう。
| 特徴 | 木で完熟したピーマン | 収穫後に赤くなったピーマン(放置・冷蔵庫) |
|---|---|---|
| 色づき | 木の上で自然に赤くなる | 収穫後に徐々に赤くなる |
| 甘み | 強い(糖度が高い) | やや控えめ |
| 香り | 濃厚でフルーティー | やや軽め |
| 栄養価 | 高い(完熟でビタミンC・βカロテンが増加) | 上昇はするが、木熟よりは少なめ |
| 食感 | やわらかくジューシー | 少し水分が抜ける場合あり |
比べてみると、同じ赤ピーマンでも、味や栄養がまったく異なることが分かります。
木で完熟したピーマンは、畑で太陽を浴びて甘~く育った、まるでパプリカみたいな味わいです。
一方、冷蔵庫で赤くなったピーマンは、見た目は赤くても味や栄養は緑ピーマンとほぼ同じなんですね。
どちらも食べられるけど、食べ方を変えよう
どちらの赤ピーマンも食べられます。
ただし、美味しく食べるためには、”向き不向き”を知ることが大切ですね。
放置して赤くなったピーマン
収穫後、放置して赤くなったピーマンは、苦味が残ることが多いので加熱向きです。
- 細かく刻んでミートソースに
- スープやカレーに混ぜる
- 炒め物の彩りとして少量使う
木で完熟した赤ピーマン
畑などで真っ赤に熟したピーマンは、甘みがあるので生でも加熱しても美味しいのでおすすめです。
- オリーブオイルと塩でソテー
- ピーマンのチーズ焼き
- パスタや炒め物の彩り
- 生のままマリネやサラダにも◎
どちらの赤ピーマンも、味の違いを生かす食べ方をすると、ぐんとおいしくなりますよ。

(写真4:収穫した赤ピーマン)
我が家でも、家庭菜園で植えているピーマンが真っ赤になったので2個収穫しました。

(写真5:ピーマンのきんぴら)
今回は、緑のピーマンとちくわを入れてきんぴらを作りました。
完熟した赤いピーマンは、びっくりするほど甘くてフルーティで、色鮮やかなだけでなく味もとてもおいしかったです。
畑で赤くなったピーマンの種は、来年まける?
完熟した赤ピーマンの中の種は、しっかりと成熟しています。
そのため、きちんと乾燥させて保存すれば、翌年にまくと芽が出ることもあります。
ただし、「苗として買ったピーマン(F1品種)」の場合は、親と同じ性質の実ができるとは限らないんです。
F1品種(交配種)は一代限りのため、翌年に植えても「形や味が変わる」ことがあります。
それでも、家庭菜園の楽しみとして挑戦してみる価値はありますね。
私も木で完熟したピーマンを美味しく食べた後、来年用に種を採っておきました。
どんなふうに育つのか、観察してみるのも面白そうです。
まとめ
- 緑のピーマンは未熟果、赤くなるのは完熟の証
- 木で完熟したピーマンは甘くて栄養豊富
- 冷蔵庫で赤くなったピーマンは「変色」で、追熟ではない
- どちらも食べられるが、料理法を変えるとよりおいしい
- 種は自家採種できるが、F1品種は性質が変わる可能性あり
見た目は同じ「赤ピーマン」でも、木で熟したか、収穫後に赤くなったかで中身はまったく違います。
スーパーなどで買ったピーマンは、できるだけ早めに食べるようにしましょう。
家庭菜園なら、ぜひいくつかの実をそのまま残して、自然に完熟したピーマンの甘さを味わってみてください。
食べた瞬間、あの青臭いピーマンとは別物の、やさしい甘みと香りにきっと驚くはずです。


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