庭で育てた千日紅から種を採って、来年も育てたいと思ったことはありませんか?
千日紅は一年草なので、春に種をまいて育てるのが基本です。でも、実際に種を取り出そうとすると、殻が固くて取れない!種が小さすぎて無理!と困っている方も多いのではないでしょうか。
私も実際に種採りに挑戦して、その大変さに途中で諦めそうになりました。でも、完璧を目指さなくても種まきは成功します。
この記事では、千日紅の種採りに苦労した体験をもとに、現実的な種の取り方と種まきの方法をご紹介します。
千日紅はこぼれ種で増える?
千日紅は地植えにしておけば、こぼれ種で勝手に増えると思われがちですが、実際には難しいです。
理由は、千日紅特有の種の構造にあります。
種が厚い綿毛と硬い殻に包まれているため、そのまま土に落ちただけでは水分を十分に吸収できず、発芽に至らないケースが多いのです。
さらに寒さにも弱いため、冬の間に種が傷んでしまうことも原因の一つです。
確実に翌年も楽しむなら、秋のうちに種を収穫し、春に適切な処理をしてからまくのがベスト。
少し手間はかかりますが、自分の庭で育った花から種を採って植えると、市販の種を買うのとは違った喜びがあります。
千日紅の種採りの時期とタイミング
千日紅の種を採るのは秋、10月から11月頃が適しています。ただし、花の状態を見て判断するのが確実です。

(写真1:枯れたような状態ときれいなドライフラワー状態の比較)
上記の写真は11月頃、我が家で採れた千日紅のボンボンです。
左側の4つは、種採りに適した千日紅で、右側のドライフラワーのようなボンボンは種ができていません。
左のように苞(ほう)が長く伸びて、白っぽく枯れたようになっているものの中に、熟した種が詰まっています。
きれいなドライフラワー状態で採ると、種が未熟で発芽しない可能性があるので注意してくださいね。
種が熟したサイン:
- 花の色があせてきた
- 苞が長く伸びて枯れたような状態
- 全体的に茶色っぽくなっている
千日紅の種の採取方法
花を切り取って乾燥させる
種が熟したら、茎を5〜10cm残して花を切り取ります。晴れた日の午前中に、濡れていない状態で切るのがおすすめです。
切り取った花は風通しの良い場所で1〜2週間しっかり乾燥させます。
直射日光は避けて、新聞紙やトレイなどの上に広げて乾かします。乾燥が不十分だとカビが生える可能性があるので気をつけましょう。
千日紅の種の取り出し方
千日紅の種の構造を知る
千日紅の種採りで大変なのは、種の構造が複雑だからです。
ボンボン(花)の中に苞(羽のようなもの)がたくさんあり、その苞の間に種が入っています。そして種は綿毛と固い殻に包まれています。

(写真2:種を取り出す前の綿毛に包まれた状態)
写真は枯れた千日紅の花をバラバラに揉みほぐすと出てくる、綿毛に包まれた種です。
この綿毛は比較的簡単に取れますが、種の外側にある固い殻を取り除くのは結構大変な作業になります。
非常に小さい上に、殻が固くなかなか割れてくれません。

(写真3:固い殻から取り出した千日紅の種)
写真は綿毛と固い殻を取り除いて、取り出した30個の千日紅の種で、サイズは約1.5mmくらいしかありません。
市販の種は、この殻まで取り除いた状態で売られています。
「爪で押し出す」方法を試してみた
園芸サイトでよく紹介されている「親指の爪で押し上げる」方法を試してみました。
苞の一番下あたりを親指の爪で当てて、グイッと押し上げると、茶色の殻に包まれた種がプリッと出てきます。確かに、この方法で種は出てきます。

(写真4:爪で押し出す方法の手元写真)
でも、たった4つ取り出しただけで爪が痛くなってしまいました。しかも、ある程度爪が伸びていないと無理です。
一つのボンボンに何百個も種があるのに、全部この方法で取り出すのは現実的ではありません。
殻の先端をこすってばらけさせる方法
完全に殻から種を取り出すのは大変ですが、もっと簡単な方法を見つけました。
千日紅の殻は雫のような形をしています。この尖った方をごしごしこすると、先がだんだんばらけてきます。
この状態なら水が入っていきやすくなるので、殻がついた状態でまくより発芽率が上がる可能性があります。
しかも、この方法なら比較的簡単にでき、完全に殻を取る手間も省けます。

(写真5:殻の先端をこすってばらけさせた状態)
【おすすめ】完璧を目指さない種の取り方
私が最終的に落ち着いた方法は、完璧を目指さないことでした。
現実的な3つの選択肢:
- 時間のあるときに完全に種を取り出す(発芽率最高、でも大変)
- 殻の先端をこすってばらけさせる(比較的簡単、発芽率も期待できる)
- 殻付きのまま保存(一番楽、発芽率は下がる)
これらを組み合わせて、複数の方法で種を用意しておくことで、発芽の確率を上げることができます。
千日紅の種の保存方法
採取した種は、春まで適切に保存する必要があります。
保存のポイント:
- 紙袋や封筒に入れる(通気性が重要)
- 乾燥剤を一緒に入れる
- 冷暗所または冷蔵庫で保管
- ラベルに採取日と色を書いておく

(写真6:千日紅の種を封筒に入れてラベルを付けた状態)
殻を取った種と殻付きの種を分けて保存しておくと、春の種まきで使い分けられます。ビニール袋は通気性がないので避けてくださいね。
最初は全部種を取りだそうと思っていたのですが、正直言って大変でした。
途中で嫌気がさしてしまったので、残りはボンボンのまま封筒に入れて保存することにしました。
千日紅の種まきの時期と方法
種まきの適期
千日紅の種まきは4月中旬から5月が適期です。発芽適温は20〜25℃なので、暖かくなってからまきます。
種まき時期の目安:
- 桜が散った頃
- 気温が安定して20℃前後になったとき
- 遅霜の心配がなくなってから
千日紅は暑さには強いですが、寒さに弱いので、焦って早くまかないことが大切です。
種まきの手順
種まき用培養土または赤玉土(小粒)など、清潔な土を準備します。
ポットまたは育苗トレイに種をまき、5mm程度覆土します。種が小さいのでまきすぎに注意してください。殻付きの種は少し多めにまくのがコツです。
最初の水やりはたっぷりと行い、その後は土の表面が乾かないように霧吹きで優しく水をかけます。
明るい日陰に置いて、温度は20〜25℃をキープします。順調にいけば7〜10日で発芽しますが、殻付きの種は少し時間がかかることがあります。
発芽後の管理
本葉が2〜3枚出たら、ポット上げ(一本ずつ分ける)をして、明るい場所に移動します。徐々に日光に慣らしていきましょう。
本葉が4〜5枚になったら、鉢や庭に定植します。日当たりの良い場所を選び、株間は20cm程度あけるとよく育ちます。
よくある疑問Q&A
Q1. 殻を取らないと発芽しませんか? 殻付きでも発芽します。ただし発芽率は下がるので、殻を取った種と殻付きの種を混ぜて多めにまくのが現実的です。
Q2. 綿毛を砂でもむ方法は効果的ですか? 綿毛を取るには効果的ですが、殻までは取れません。また、種が小さすぎて砂の中から探すのが大変です。
Q3. 種はどのくらい保存できますか? 適切に保存すれば2〜3年は保存可能ですが、年数が経つと発芽率が下がるので、翌年の春にまくのがおすすめです。
Q4. 市販の種と自分で採った種、どちらが良い? 発芽率と手間を考えると市販の種が安定しています。ただし、自分で採った種なら、お気に入りの色を選べるメリットがあります。
以前の記事で、千日紅を水挿しして増やす方法や、室内で冬越しさせる方法をご紹介しましたが、
正直に言うと、今回種採りをやってみて、水挿しから冬越しさせる方法がはるかに手間がかからず確実だということも分かりました。
手軽に確実に翌年も楽しみたいなら水挿し、お気に入りの色を自分の手で繋ぎたいなら種まき、と使い分けるのが良さそうです。
まとめ
千日紅の種採りは手間がかかります。種が小さすぎる(2mm程度)し、殻が固くて取れないし、時間もかかります。
でも、完璧に殻を取る必要はありません。
種採りと種まきのポイント:
- 花の色があせて枯れたような状態になってから採る
- しっかり乾燥させる
- 時間のある分だけ殻を取る(全部取らなくてOK)
- 殻付きの種も保存しておく
- 紙袋で冷暗所または冷蔵庫保管
- 春(4月中旬〜5月)に、殻を取った種と殻付きの種を混ぜて多めにまく
自分で育てた千日紅から種を採って、また育てるというサイクルは、手間はかかりますが楽しいものです。
千日紅の種を収穫したら、ちょっと大変な「綿毛取り」の工程も楽しみながら、ぜひ挑戦してみてくださいね。



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