春になると、水仙の葉っぱばかりが元気に伸びて、花が咲かない——。
そんな光景に、毎年少しがっかりしていました。
「球根は生きているのに、どうして花がつかないんだろう?」
そう思いながら3年ほど様子を見ていましたが、ついに我慢できず掘り上げてみたんです。
すると、想像もしなかった原因がありました。
この記事では、私の実体験をもとに、水仙の花が咲かない・葉っぱばかり伸びる原因や、
実際に行った球根の掘り上げと植え替えの方法を写真付きで紹介します。
掘り上げて気づいた、水仙が咲かない理由
私も庭にたくさんの水仙を植えています。
ですが、一ヵ所だけ日当たりが悪いせいか、毎年葉は出るものの花が一向に咲きませんでした。
思い切って今年掘り上げてみたら、その原因が一目で分かりました。
土と根が直径30cmほどの塊になっていて、白い根がびっしり。
あまりの密集ぶりに、思わず手が止まりました。

(写真1:球根と土が固まりになっていて、根がぎっしり)
3年間咲かなかった水仙が、硬い土の中でもこんなにもたくさん根を張り、葉を伸ばしていたことにびっくりです。
これではさすがに、花は咲きませんよね。
土が固い上に、球根の根がたくさん伸びていたので、傷をつけないように掘り上げる作業が本当に大変でした。
ここから読み取れるポイントは:
- 球根が分球しすぎて小さくなり、花芽を作る余力が無い
- 土が硬く根が十分に張れず、栄養の循環が悪い
- 日当たり不足で光合成が足りない
つまり、「球根の状態+環境の組み合わせ」が原因で、水仙が咲かないというわけです。
水仙の球根の掘り上げ時期と注意点
一般的には、葉が黄色くなり始める初夏(6月頃)に掘り上げるのが目安です。
今回のように「咲かない株」をリセットする目的であれば、芽が動き始める前〜動き始めの時期に掘るのも有効です。
私の場合、10月に入って球根を掘り上げたので、すでに1cm前後の芽が出ている球根が何個もありました。
芽や根を傷つけなければ植え替えも可能ですが、球根の掘り上げ作業が大変になるので、早い時期にしておけばよかったと反省しました。
掘り上げ作業の注意点:
- スコップは球根から10〜15cm外側に入れて、土ごと持ち上げる
- 根が絡んでいる場合は、無理に引っ張らずに少しずつ周囲の土を落としてほどく
- 球根に小さな傷がついたら、風通しの良い日陰で半日〜1日乾かすと腐敗リスクが下がる
水仙の植え替えと分球の手順(実例つき)

(写真2:土を落としても、根が長く絡まり合った球根)
割り箸を使って、一塊になっていた球根の土を丁寧に落とした状態です。
上記の写真でも、球根同士がぎゅうぎゅうに押し合っている感じがよく分かります。
一ヵ所で、これだけの球根が増えているとは思いもよらなかったので、今回掘り起こしてみて大正解です。
土を落とした後も、長く伸びた根が絡まっていたので、根を傷つけないように時間をかけて球根を一つずつ分けていきました。
中でも大きいものを選んで植え替えることにしました。手順は以下のとおりです。
1. 球根の選別

(写真3:絡まった根をほどいて並べた状態)
絡まった根をほどいて並べてみると、大小合わせて33個の球根が出てきました。
ですが、多くは小さく分球しすぎている状態でした。
極端に小さいものは置いておき、すでに芽が出ている大きめの球根を優先して植えることに。
今回は日当たりのいい場所を選んで、いろいろな場所に植えることにしました。
2. 土づくり(今回の改善点)

(写真4:腐葉土を混ぜた土に植え穴を準備)
まず、植え替える場所に選んだのは、毎年他の水仙も花を咲かせている南向き。
元の土が粘土質で固まりやすい真砂土だったので、今度は土には腐葉土を2〜3割混ぜて保水性と通気性を改善しました。
腐葉土を混ぜて土を柔らかくすると、スコップを入れたときの感触が全く違いました。
今までの土がどれだけ硬かったか、改めて分かります。
水仙は水はけが良すぎても、保水性が無さすぎてもダメなので、腐葉土を混ぜることでバランスを取ることにしました。
3. 植え付けのコツ

(写真5:穴を掘って球根を置いた状態)
掘り上げた球根の中でも大きめを6個選定し、腐葉土を混ぜて周辺の土をしっかり柔らかくした土に、植え穴を掘り球根を置きました。
- 植え穴は球根の高さの2〜3倍(目安10〜15cm)。球根の頭が地表から5〜7cm下になるようにする。
- 長い根は無理に切らず、自然に広げてから土を戻す(根を折り重ねたままでも大丈夫なことが多いが、深植えに注意)。
- 植えた後は表面の土を軽く押さえ、仕上げにごく少量の水を与えて土と根を密着させる。
植え替え後の管理と次の開花に向けて

(写真6:庭で咲いた白と黄色のアイスフォーリス)
植え替え直後は「乾かしすぎない」ことが大切です。
真砂土に腐葉土を混ぜたため保水性が上がっているので、表面が乾いたら軽く与える程度にします。
来春に向けてのポイント:
- 可能なら日当たりの良い場所への植え替えを検討する
- 花後(4〜5月)の葉が青いうちに、リン酸・カリ主体のお礼肥を少量与える(窒素は葉ばかり茂るので避ける)
今回植え替えたのは33個のうち大きい17個。
残りは来年の様子を見ながら追加で植え替えます。
分球している球根は無理に全部植え直すよりも、適度に整理して株の力を戻すのがコツです。
まとめ
水仙の花が咲かない、葉っぱばかり茂る、そういった株があればぜひ一度、球根を掘り上げてみることをおすすめします。
こうした悩みは、実際に土から取り出してみると原因が見えてくることが多いです。
今回の私のケースは、球根の密集と硬い土、日当たり不足が重なった典型例でした。
これまで植えっぱなしにしていたので、もしかしたら、他の球根もこんな感じになっているのかもと、ちょっと心配になりましたが…。
掘り上げて選別し、腐葉土で土をふかふかにして植え直すことで、来年きれいな水仙の花が見れるのを楽しみに待つことができます。
もし花が咲かない水仙があれば、まずは掘り上げてみてくださいね。
きっと、思いがけない発見がありますよ。


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